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組込み系プログラマの終末

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国語が苦手でも小論文試験(昇進・昇格試験)に合格できる勉強方法

私の勤務している会社では年に1度昇進試験があります。

 

試験としては業務に関する小論文、その他いくつかの筆記試験と面接があり、これら全てに合格すると年収で100万程度アップします。この試験を合格すると以後の昇進は非試験となりますが、逆に受からないといつまでも平社員のままで昇進しませんし、毎年試験を受けなければなりません。

 

合格率は15%程度で、1年目で受かる人もいれば20年目のベテランでも受かっていない人もいて、社内の評判としては【難しい試験】。皆が一様に声を揃えて「小論文が難しい」と言います。

 

私はこの試験を約3ヶ月の勉強で1年目で合格しました。

 

一般的に小論文試験を合格するためには国語スキルが必要と言われていますが、私の国語スキルは非常に低いです。あまり本を読まないため語彙力がなく、加えて人との関わりを避けがちだったため基本的なコミュニ ケーション(特に順序立てて説明すること)にも難があります。しかし幸いなことに小論文試験ではコミュニケーションが下手でも、多少日本語が不自由でも、押 さえるべきポイントを押さえることで合格できます。 

 

今回は実際に私の行った「国語が苦手でも合格できる勉強法」をお伝えしたいと思います。

 

【小論文試験(昇進試験)の分析】

試験まで十分時間が取れるならば国語力を底上げする方法が本質的で良い方法だと思います。しかし多くの方は仕事や育児が忙しく十分な時間が取れないのではないでしょうか。そのような場合【分析】は非常に有効です。自分の会社の小論文試験は受かるかもしれないけど、それ以外の小論は全くダメダメ状態、そんな状態を目指しましょう。

 

★合格レベルの小論文の分析

まず可能な限り合格者の論文を集めましょう。といってもなかなか集まるものではなく、私は2件しか集められませんでした。しかし2件でも集められれば有用なデータです。どのような内容が書かれているのか、どこが骨子か、題意にどのように答えているか、10回、20回読み込んで完全に理解しましょう。

 

私の入手した2件はそれぞれ

(1)自分の実施した施策が非常に効果的だったという【事実】を全面に出す論文

(2)自分の【考え】を全面に出し、その考えに基づき業務の中で〜という具体的な行動をした

という対象的なものでした。合格レベルの論文には優れた【事実】か、説得力があり可能性を感じる【考え】かが必要だと考えました。これを受け自分の方針を決めるのですが、自分の場合は勤続年数が短く具体的で強力な【事実】は持っていなかったため【考え】を全面に打ち出していく方針を選びました。逆に言えば【事実】を最小限に押さえるように気をつけたとも言えます。

 

練習で様々なお題について論文を書きましたが、文章全体の【事実】と【考え】のバランスは論文の完成度を高める上で非常に重要でした。基本的には人柄を見る試験なので【考え】に重点を置くべきだと思います。逆に【事実】を全面に出す方針は難易度が高いと思われます。「小論文なんだから考えを書くのは当然だろ?」と思われるかもしれませんが、実際に書いてみると前提条件の説明や、具体例、手順などを書きがちで、これらは【弱い事実の集合】なので結果的に完成度の低い小論文になってしまいます。

 

私の場合は合格論文(2)を目指し、自分の書いた論文との差異を分析し、差がなくなるように詰めていきました。

 

★小論文の問題(テーマ)の傾向を分析

私の勤務する会社の場合、問題の一例は以下のようでした。

 

(1)会社がこれからも価値を高めるためにはどうすればよいと思うか

(2)周囲の人を巻き込んで何をしたか

(3)会社にとって危機は何か。あなたはどう備えるか。

 

私はこれらの問題は全て【会社の成長ためにあなたはどう考え、どう行動したのか、行動していくのか】という1つのパターンに集約できると考えました。 おそらく良くあるテーマ設定なのではないでしょうか。

 

このようなテーマ設定では【会社の成長】と【自分の考え・行動】を繋げる必要があります。一般的にこの2つの接着剤は経営方針です。社長の言葉を調べることで、会社の長期的な目標が見えるはずです。例えば事業の多角化を推進するだとか、コストダウンによって競争力を底上げするだとか。社長の言葉は社員向けのものより、株主向けのものの方が具体的で分かりやすい場合が多いので、株主向けの方針説明資料を探しましょう。

 

経営方針をうまく小論に取り入れると、それだけで高い視点から全体を捉えている雰囲気を醸し出せます。

 

例えば

(1)会社がこれからも価値を高めるためにはどうすればよいと思うか

 価値を高めるためには〜といった理由からXXXが必要だ。そのためには一層のコストダウンが求められている。そこで私は〜を達成するために〜を検討し、結果〜くらいのコストダウンを実現した。

 

(2)周囲の人を巻き込んで何をしたか

 〜という理由で、会社が成長していくためにはコストダウンによって競争力を増すことが有効だ。しかし私の職場には〜という問題があり、それによって〜工程のコストが大きくなることがあった。そこで〜と連携し、この工程の〜改善を実施し、コストダウンを実現した。

 

(3)会社にとって危機は何か。あなたはどう備えるか。

 会社にとって危機は〜だ。近年〜は〜で〜だ。この危機に対処するためには〜。よって全社一体での総合的なコストダウンが必要だと考えた。そこで私は〜な理由で関連部門との一層の連携が必要だと考え、〜を実施した。それによって部門間で〜を共通化でき、〜工程のコストダウンを実現した。

 

【会社の成長ためにあなたはどう考え、どう行動したのか、行動していくのか】という問題のパターンに対する解のひとつは【経営方針に沿って問題に応え、自分の考え・行動に繋げる】ことだと言えるのではないでしょうか。よって経営方針をよく理解し、それぞれの方針について自分との関わりを整理しておくと良いと思います。

 

【実践】

さて、いよいよ実際に筆を進めましょう。小論試験では「なにも書くネタがない〜」ということをよく聞きます。ほとんどの場合そのように言う人は、過去に自分がやったことからネタを探しています。しかしそのやり方は危険です。上で述べた【問題の分析】と重複しますが、業務系小論文の場合は「会社の方針」「経営目標」ありきで考え、それに繋げられるネタを探すべきです。

 

会社の方針を理解し、自分の経験と照らし合わせいくつかストーリーはできましたか?まず下手くそでもいいのでそのストーリーを小論文として書き上げましょう。話はそれからです。

 

★自分の文章の癖を知り修正する

 自分の文章の癖は自分自身ではなかなか発見できません。この点に関しては上司・友人・家族に小論を見てもらい、「どんな印象を受けるか」「分かりにくい箇所はどこか」と言う観点でアドバイスをもらうことをおすすめします。内容についてがっつり意見をもらうというよりは、文章の雰囲気を見てもらうことを期待しているため、気楽に話せて、あまり忙し過ぎない人に見てもらうといいと思います。私の場合は妻に見てもらい、以下のようなアドバイスを得ました。

 

・なんとなくネガティブな印象を受ける

・文章の繋がりが悪く、内容が頭に入ってこない

・淡白な印象で、盛り上がりに欠ける。眠くなる。

 

これに対して原因を追求していく。

・なんとなくネガティブな印象を受ける

 余計な一言が多い。例えば「本来は〜すべきだったが、〜によってできなかった」といった できなかった情報を付けがち。

 

・文章の繋がりが悪く、内容が頭に入ってこない

 接続詞を使っていないため文章がぶつ切りになり読みにくいケースや、くどい説明によって大事な主張が隠れてしまうケースがありました。「しかし」「つまり」「よって」等をうまく使えていない箇所もありました。

 

・淡白な印象で、盛り上がりに欠ける。眠くなる。

 【事実】と【考え】のバランスで、【事実】が多い場合に淡白になるがちです。さらにその事実が説明などの【弱い事実の羅列】だとこれまたつまらないものになってしまいます。また考えの根拠が弱かったり、当たり前の主張だけだと盛り上がりの無い文章になってしまいます。

 

まずは自分の文章の癖を発見することが重要です。そのためには他者の目が有効です。

 

★「題意に沿った」論文を書けるようにする

3割〜4割の受験者は題意に沿っていない小論文を書いてしまい、確定不合格となってしまっているそうです。つまり題意に沿って書き上げられれば、それだけで合格可能性が上がります。具体的には全体で合格率15%の試験において、題意に沿っていないため不合格が40%だとすると、題意に沿っている小論文の合格率は15/60で25%まで上がるんです。

 

しかし題意に沿っていても肝心の内容がお粗末ではいけません。題意に沿ってなおかつある程度の内容が書ける受験者は半分程度だとすると、その受験者の合格率はなんと15/30で50%まで上がります。

 

つまり題意に沿って、なおかつある程度の内容がかければ2〜3年間での合格率は85%まで上がるのです。

 

よって小論文試験においては、題意に沿うことはスタートラインで、絶対に外してはいけないポイントなのです。

 

さて題意に沿った小論文を書くためには何が必要なのでしょうか。 

 

答えは【全体構成をしっかり考える】ことです。理想的には小論文を書き始めてから殆ど筆を止めずに書き上げられるような全体構成が望ましいです。

 

つまり全体構成は小論に登場する【要素】と、その要素間の【繋がり】を正確かつ十分に含んでいる必要があります。

 

このレベルの全体構成を書けると、小論文を書き始める前にそれを見ながら題意に沿っているかどうかといった確認が可能になります。このひと手間で題意に沿っていない→確定不合格をかなり回避できるはずです。

 

試験時間にもよりますが、私の場合は最初の30分を全体構成に充てると決めて試験に臨みました。

 

最初は全体構成を書いても、小論文を書き始めるとすぐに筆が止まると思います。私はそうでした。そのようなとき、なぜ今筆が止まったのか、逆にどのようなことを予め考えていれば止まらなかったのかということを意識し、少しずつ構成力を磨いていくことで構成力はアップしていきます。

 

 ★内容のブラッシュアップ

 さて自分の文章の癖を修正しマシな日本語になり、題意に沿って書けるようになっても結局内容がお粗末であれば合格は難しいです。ブラッシュアップは絶対に避けては通れないでしょう。

 

この段階では上司に添削を依頼することが最も効率的です。上司はつまらないこと(日本語が変だとか、題意に沿っていないだとか)に惑わされず、真っ直ぐに小論文の主張を理解し、有用なアドバイスをくれるでしょう。

 

逆に言えば、日本語が変だとか、題意に沿っていないだとかというレベルのものを添削してもらっても、内容のブラッシュアップまでは到達できないと言えます。

 

上司に見せずに自分でブラッシュアップすることもできなくはないですが、有効性は下がります。会社によってカラーも違いますし、上司の意見を聞くことは1度はすべきと思います。

 

 【総仕上げ】

意外と忘れがちなのが、時間内に書き上げなければ意味がない、ということです。時間を計って論文を書く練習は欠かせません。

 

私は手書き試験だったため本番までに15本程度時間を計って書きましたが、15本目では最初より30分程度早くかけるようになっていました。論文試験は時間との戦いでもあるので、このスキルアップは本当に有効です。

 

【まとめ】

約3ヶ月間、毎日2時間程度(直前の土日はフル)この昇給試験にかけ、なんとか合格はしましたが、はっきり言って余裕はありませんでした。基本的な国語力は低いままなので試験の傾向ががらっと変わったら全く対応できませんしね。

 

この試験において勝敗を分けたのは【他者の目】を積極的に活用したことだと思います。自分の書いた文章を人に見せ、ダメ出しをされるというのは私にとっては苦痛でしたが、早期から妻の協力を得たこと、何度も上司に添削を依頼したことが最も大きなポイントだったと感じています。

 

読んでくださった方の一助となれば幸いです。

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